東日本大震災による福島第一原発事故が起こったことで、日本でも原子力発電の恐ろしさを知ることになりました。
世界の中には日本よりも先に脱原発の動きを見せ、原子力発電に依存しない社会を作ろうとしています。
その代表的な国がドイツです。
ドイツでは2022年までに原発を全て停止する予定でしたが、福島第一原発事故を受けてできるだけ早く停止することに決定しました。
倫理委員会では2020年までに完全に脱原発を行うという法律を掲げました。
ドイツ国内では再生可能エネルギーは全体の11%しか占めてしませんでしたが、政府はエネルギー企業を支援したことで再生可能エネルギーの利用が促進されています。
再生可能エネルギーで十分な電力を作ることができれば、原発に頼る必要はありません。
日本でも再生可能エネルギーの利用を広めれば、ドイツのように脱原発に向けて前進できます。
■太陽光発電
日本人にも身近な再生可能エネルギーは太陽光発電です。
各家庭でもソーラーパネルを設置すれば、電気を作ることができます。
ソーラーパネルに太陽光が当たると、エネルギーが吸収され電力に変えられます。
パワーコンディショナーにこの電力を送ることで、直流電力が交流電力になって一般家庭で使えるようになります。
単結晶シリコンでできたソーラーパネルは電力に変える効率が良く、長い歴史を持っているので安心感があります。
一般家庭や企業だけでなく、宇宙でも採用されています。
コストと性能のバランスが取れているのは、多結晶シリコンで現在最も普及しているソーラーパネルです。
太陽光発電の研究は日々進歩しており、まだマイナーなカルコパイライト系なども次第に大量生産されると考えられています。
太陽光発電の発電部には可動部分がないので、一度設置すれば頻繁にメンテナンスをしなくて済みます。
外部からの衝撃を避ければ故障のリスクが低く、専門的な知識も必要としません。
設置する時にまとまった費用がかかりますが、作った電力は自分たちで使えるので毎月の電気代を節約することができ家計にも優しいです。
■風力発電
日本では補助金制度も整っているので、家庭で再生可能エネルギーを作るならば太陽光発電が一番人気です。
風力発電は1990年から導入されていますが、世界と比べると数が少ないです。
太陽光発電に重きを置いていたり、台風が多い日本では丈夫な発電所を作るのにお金がかかるのを嫌がったりしています。
風力発電は風が風車を回すことで、発電機に送られたエネルギーを電力に変えるという仕組みを採用しています。
風を受ける面積と空気の密度、風速の3乗に比例して電力が作られるため風車は大きいのが基本です。
可変ピッチが作動するため、台風など風が非常に強い時でも風車の羽根が折れることはありません。
プロペラ型や多翼型、クロスフロー型など特徴の異なる風車をその地形に合わせて設置することで、無駄なく電力を作ります。
日本は海に囲まれているので、海岸線が長いです。
海岸沿いは安定して風が吹いているため、風力発電で得られる電力は多くなります。
風力発電所を設置するのはコストがかかるので一般家庭向きではありません。
しかし最近ではコストが削減され利益が出やすくなっているため、風力発電所の設置を検討する企業も増えています。
■バイオマス発電
日本では研究が進んでいませんが、バイオマス発電は脱原発に役立つとして発展させようとする国が多いです。
ボイラーで燃料を燃やして熱を発生させます。
その熱で水を温めると水蒸気ができて、発電用タービンが回って電力を確保します。
発電方法は火力発電と同じですが、生ゴミやとうもろこし、麦わらなど自然の燃料を使っています。
火力発電に使う化石燃料は燃えると二酸化炭素を排出しますが、バイオマスは資源になる前は光合成をして二酸化炭素を吸収しているので燃えて二酸化炭素を排出しても量はプラスマイナスゼロと考えられています。
火力発電や原子力発電に頼らないだけでなく、地球環境にも優しい発電方法です。
ゴミと見なされるもので電力を作ることは、資源の有効利用にも貢献できます。
■国がどれだけ予算を回すかが脱原発の鍵
脱原発は国の支援が欠かせません。
国が支援しなければ高いコストをかけて新しい発電方法を導入する意欲がわかないためです。
日本では現在太陽光発電や風力、水力、バイオマスなど再生可能エネルギーによって生まれた電力を国が買い取る制度を行っています。
そもそも原子力発電は他の発電方法とは異なり、電気にしなければ利用することができません。
発生した熱の65%はロスとして海に捨てられるので、発電の効率も悪いです。
出力を変えるには、出力を調整するための発電所を用意しなければなりません。
原子力発電を1つ設置するだけでも、火力や再生可能エネルギーを余計に使うのでコストがかかります。
原発に依存してもエネルギーを効率良く使うことはできないので、日本も脱原発に向けて補助金を充実させるなどの対策をとるのが良いです。
最終更新日 2025年6月10日