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洋上風力発電は今大きな注目を集めている再生可能エネルギー

洋上風力発電とは、海上において風車を設置して発電を行うことです。
風車を回転させる風のエネルギーを利用して発電する風力発電は、太陽光発電と並んで代表的な再生可能エネルギーによる発電方法です。
欧米諸国では一般的に導入されている発電方法で、欧米と比較すると日本での導入は遅れていますが、2000年以降日本でも急激に導入件数が増えています。
日本で従来から行われていた風力発電は、主に山間や丘の上などの陸上で稼働していました。
日本では陸上設計の方が一般的と言われていますが、導入可能の地域は限定的です。
日本の国土は諸外国に比べてもそれほど広くはありません。
また、国土が海に囲まれている島国であるということを考えても、洋上風力発電は陸上よりも導入を進めやすく大きなポテンシャルを秘めていると言わざるを得ません。

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再生可能エネルギーの導入を拡大することが必要不可欠

政府は、2050年の脱炭素社会を目指していますが、これを実現するためには再生可能エネルギーの導入を拡大することが必要不可欠です。
再生可能エネルギーと言われると、ソーラーパネルを利用した太陽光発電を思い浮かべる人が多いと思います。
実際にこれまでは、太陽光や陸上の風力を利用しての発電を中心に普及が進みました。
太陽光発電は、ソーラーパネルを設置してしまえば、太陽光を吸収して電気エネルギーに変換できますが、太陽が出ていない夜間や悪天候が続くと充電はできません。
また、陸上風力発電と共通のデメリットとして、日本の国土には山が多く周囲の環境への配慮などを考えると、これ以上大規模に導入することができる土地には限りがあるのが実情です。
今、大きな注目を集めている洋上風力発電は、海に風車を設置します。
当たり前ですが、海は障害物などがなく、しかも陸上よりも安定して強い風が吹いています。

一般的な風力発電と洋上風力発電の違い

一般的に風力発電は、風のエネルギーをブレードで受け、その回転運動を利用して電気電気エネルギーへと変換しています。
一般的なものではブレードの回転を増速機で回転数を増速させてその回転数を利用して発電機を作動させて電気を作る仕組みとなっているので、一定の風速が求められます。
もちろん風車の高さやブレードによっても異なりますが、一定の風速があれば効率よく風の力を電気エネルギーへと変換することができると言われていて、風車が回転するほどたくさんのエネルギーに変換することができます。
大規模に発電できれば火力発電所並のコストで電気エネルギーへと変換することが可能であることから、経済的にエネルギーを確保できるので、国土が海で囲まれている日本にとっては大きな可能性を秘めていると言えるのです。
一方で、まだまだ課題も少なくありません。
洋上風力発電では、海の上を占用して風車を設置するので漁業者の同意が得ることが欠かせません。
2019年に「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」が施行されたことで、海域の占用に関するルールの問題や、漁業、船舶運航事業者との利害調整の必要などの多くの課題が整理されました。

風車の土台を海底に設置するため遠浅の海が適している

洋上風力発電では、一般的に風車の土台を海底に設置するため遠浅の海が適しています。
しかし先行して導入している欧米諸国と比べると日本には遠浅の海があまりありません。
そこで大規模に導入をするためには、通常の風力発電と同様に風車の土台が海底の地面に固定された着床式だけでなく、海に浮かべる浮体式の技術開発が必要です。
浮体式は、2009年に世界で初めてノルウェーで実用化されて以降、ポルトガルやフランスをはじめ世界各国で設置が進んでいる技法です。
浮体式では海底に固定しなくても設置することが可能となるため、遠浅の海が多い日本が、実は一番の普及の鍵になるのではないかと期待されています。
現在、政府は秋田県や千葉県、長崎県などの沖合を促進地域に指定して、洋上風力発電の整備を支援しています。
公募で事業者に選ばれると30年間その海域を利用することができるため、多くの商社やゼネコン、海外メーカーが関心を持っており、政府は投資を呼びこむことで技術や人材の育成を目指しているのです。

まとめ

また、開発や運営までを一手に担うことができる風車メーカーの育成や、現在の風車よりも低コストで発電できる技術の開発、専門的な知識をもつ人材の育成などが今後の課題です。
さらには、海上に設置された風車は定期的なメンテナンスをするために専用船を用いた定期的なアクセスが必要です。
定期的なメンテナンスでは、ギアボックスの交換などの重工業的な作業のために海洋掘削装置などが必要と考えられていて、専門的な知識・技術を持った管理チームを組織することが求められます。
陸上に比べるとコストがかかってしまうというデメリットがありますが、現在行われている陸上風力発電と組み合わせての発電が可能となるので、国内の他の再生可能エネルギーと比べても遜色がないくらいのポテンシャルを秘めているのです。

最終更新日 2025年6月10日