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居酒屋ってどう??
居酒屋と言えばサラリーマンのオアシスとも呼ばれ、会社帰りのお父さんが一日の疲れを癒す場というのが定番です。
大学生や新入社員といった若い方など一流店ならば敷居が高いと感じる層の方でも居酒屋ならば気軽に利用できます。
提供されているメニューは比較的安価で、財布の紐が堅い傾向にある昨今でもお小遣いの範囲で楽しめます。
普段なら無駄遣いに厳しい奥様も居酒屋ならば許可が出る事も多く、飲食を楽しみながら良いコミュニケーションを図れば次の仕事への潤滑油ともなります。
そんな居酒屋各店ですが、少子高齢化が確実となった現在、顧客となり得る国民の絶対数が今後減少するのが間違いないという現状、限られた顧客のパイを各チェーン店が奪い合う格好となる中で激しいサービス競争と価格競争により質の高いサービスがよりリーズナブルな価格で楽しめるのはある意味では歓迎される傾向にありますが、その一方で業界全体の収益がやや頭打ちとなる中で各社にとって大きな転換期を迎えています。
冒頭にあげたようにかつてはサラリーマンのオアシスも、限られた客層のパイを広げて更なる収益を上げるべく新たな潜在的な顧客の掘り出しを目指しています。
その方策のひとつがファミリー層へのアピールで家族で楽しめる店舗の展開し、その最たる例が子育て世代の家族とモデルケースに小さなお子さん向けのメニューの提供で、ソフトドリンクはもちろんのこと、お子様が大好きなカレーライスやハンバーグなどのフードメニューもあります。
ファミリーレストランチェーン店との業務提携やコラボレーションの協業
また、お子様と一緒に来店するであろうお母様向けのメニューも用意し、ソフトドリンクやスイーツの品揃えを充実し、母子で楽しめるお店ならばそのお店を利用する大きな動機付けとなります。
これらのメニューはこれまでお酒や焼き鳥などいわゆる大人向けに特化したお店からすれば、苦手分野と言えるものですが、ファミリーレストランチェーン店との業務提携やコラボレーションの協業を行いながら、新たなノウハウを取り入れる努力も進んでいます。
席も昨今急速に進む分煙化や禁煙化の流れから、禁煙法制の整備も予想されている中で店内を明確に禁煙席と喫煙席に分け最新鋭のタバコの煙を強制排気する空気清浄機を完備し一切の煙や臭いを他の席に流さない機構を備えたり、一部自治体では一定規模以上の店舗では全面禁煙を義務付ける条例が施行されているだけではなく、商店街単位あるいはチェーン店単位で独自のガイドラインを制定して正式な法規制を先取りする形で分煙や禁煙へと移行する動きも出始めています。
親御さんが気兼ねなく楽しむというコンセプト
ここまでは、あくまでも親子でフードメニューを楽しむというコンセプトでしたが、その一方で親御さんが気兼ねなく楽しむというコンセプトもあります。
キッズスペースでは床と壁に安全性の高いやわらかなクッションを設置し、積み木やブロック、ぬいぐるみや絵本などが貸与され、そこでお子様が遊んでいる間に親御さんが飲食を楽しむというものです。
これまでは店内に別途キッズルームを設けるケースがあり店舗スタッフが時折目をかけてくれるのも安心でしたが、座敷席や個室に隣接してキッズスペースが設置されているケースでは、親御さんの目の届く場所でお子様の様子を見ながら飲食を楽しめます。
また、託児所と提携して設備を完備した店舗では保育士資格を持つ専任の職員が常駐しており、安心してお子様を預けて気兼ねなくお父さんお母さんが楽しめる体制までも用意している店舗も登場しています。
現場でのIT化も進み、紙とペンを使ってオーダーを受けるのは過去のものとなりつつあります。
従業員がタブレットなどの携帯端末を持ちタッチペンで操作をしてオーダーを受けるのが当たり前と思いきや、各テーブルに端末を設置し顧客自らがタッチパネルを操作してオーダーするシステムの導入が進んでいます。
タッチパネルを操作してオーダーするシステム
これにより従業員の人件費の削減となればその浮いたコストを安価なメニューの提供という形で還元できるだけではなく、オーダーに取られていた時間をさらなる顧客への高度な接遇や迅速な対応をするなどサービスの質を高めるために割り振ることができます。
一見すると顧客が自ら端末を操作してオーダーする行為は手間をかけているかに見えますが、タッチパネルからほんの数十秒の操作で済み、何より周囲を気にすること無く自分のペースでオーダーができるのが最大のメリットで、特に手のかかる年代のお子様連れの方にとっては従業員がテーブルに来るまでの待ち時間を皆無とし、その時間をゆとりを持ってお子様と対話する時間に割り振ることができるなど、店舗と顧客双方にメリットのある手法です。
端末ではオーダーが行えるだけではなく簡単なゲームが楽しめたりお子様向けのメニューの表記にはかわいらしいイラストがグラフィカルにデザインされ、消費行動を促す工夫もされています。
かつてはサラリーマンのオアシスだった居酒屋は時代と共に大きく変化し、家族連れを含む多様な顧客にとって楽しめる場所へとパラダイムシフトが始まっています。
最終更新日 2025年6月10日